腸腰筋は、ダッシュやキック動作など、脚を前に振り出す動きに関与する腸骨筋、そして胸腰椎を起始とし、脚を引き上げ、動き出しの速さに関与する大腰筋から構成されるため、あらゆるスポーツの基礎になる重要な筋群と言えます。
今回は腸腰筋のトレーニングについてご紹介します!
腸腰筋の機能解剖が不安な方は、改めてこの記事で復習してから読み進めていってください!
しっかりとポイントを押さえて活動現場で活用できるようにしていきましょう。
腸腰筋のトレーニング1
クロスバランス
腸腰筋に負荷をかけながら、キープをする種目です。
道具を使わずに行え、肩関節・肘関節・股関節・膝関節・体幹部など、たくさんの関節を動かす運動であるため、体温を高める効果も期待できます。
やり方
1:対側の手足を斜めに伸ばします。この時身体は一直線に保ちます。
2:身体をくの時に曲げ、対側の肘と膝をお臍の前で合わせます。
3:2の状態で10秒間キープ。左右それぞれ10回ずつ繰り返します。
解説
肘と膝が離れないように意識。
疲れてきても、膝の高さをお臍の位置で保ちます。
1の動作を行う際は、頭から踵までを一直線に保ちます。また、前から見た時も身体が左右に傾いていないか、鏡やペアになってチェックしながら行います。
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腸腰筋のトレーニング2
脚上げチューブバランス
チューブを使い、脚上げ動作により負荷を加えながら行う種目です。
身体の前後左右へのブレをペアでチェックし合いながら、正しいフォームを習得しましょう。
やり方
1:膝の上にチューブを巻きます。
2:胸の前で手をクロスさせ、片脚の股関節を90°に曲げます。
3:膝をさらに上げ、膝の上下運動を繰り返します。
4:左右20回ずつ行いましょう。
解説
上げている方の膝は限界まで上げるように動かします。その際、頭からつま先は一直線に保ちましょう。
注意
身体が中心軸からずれないようにします。また、骨盤も左右平行を保ちながら行うことで、効率よく腸腰筋に刺激を与えることができ、下半身の安定性を鍛えるトレーニングにもなります。
意識しても身体が中心軸からブレてしまう方は、骨盤を安定させる筋肉を鍛える中殿筋トレーニングも並行して行うのがおすすめです。
腸腰筋のトレーニング3
Vクランチ
仰向けで行うトレーニングです。腸腰筋だけでなく、腹直筋、腹斜筋、腹横筋などの腹筋群にも同時に刺激を入れることができる種目です。
やり方
1:片脚の膝を90°に曲げます。
2:もう片方の脚を伸ばし、地面から5cmほど浮かせます。
3:肩は45°に開き、手のひらを地面に向けます。
4:伸ばした脚を上に挙げながら、同時に上半身も頭から巻き込むようにして、頭を膝の高さまで上げます。
5:1〜4の動作を繰り返します。左右それぞれ20回ずつ行いましょう。
解説
頭から背骨を1つ1つ起こし、股関節を中心にVの字になるように意識しましょう。
ストレッチポールの上で行うことでバランスが取りづらくなり、トレーニング効果が上がるので、負荷を高めたい方にはおすすめです。動作が難しい場合は、手で地面を押して補助をしましょう。
注意
仰向けの状態で、足と上半身を同時に引き上げるため、カラダの中心部への負荷が大きくなり、腰に負担がかかりやすい種目です。
腰部の違和感がある場合には、前に紹介した2つのトレーニングから行っていくことをおすすめします。
まとめ
腸腰筋のトレーニングをご紹介しました。
正しいフォームを身に付けるために2人1組でお互いをチェックしながら行いましょう。
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参考文献
筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト辞典 ナツメ社
著 荒川裕志、 石井直方体幹力を上げるコアトレーニング 成美堂
著 木場克己長友佑都 体幹×チューブトレーニング
著 長友佑都
記事監修:森川稔之
◯日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
女子ラクロス選手を中心に一般の方からアスリートまで幅広く指導。体幹トレーニング・ファンクショナルトレーニングを得意とし、瞬発力アップや切り返しの速さなど「動きのトレーニング」に定評がある。日本だけでなくアジアでもトレーナーとして活躍中。
後進の育成活動として若手・学生トレーナー向けの森川カラダ塾を開講。
筆者:棟形賀起
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