「知ることでやるべきことが見えてくる」森さんの働き方

トレーナーの働き方

大学でアスレティックトレーナーを取得後、専門学校で鍼灸・あん摩マッサージ師の資格を勉強しながら、剣道日本代表のトレーニングコーチとしても活躍中の森さん

今回は今の仕事についた経緯や学生のうちからやっておくべきことについてお話を伺いました!

森さんのご紹介

名前

森 一徹(もり いってつ)

年齢

23歳(1994年生まれ)

出身

大分県 都道府県

出身校

杵築高校(大分県)− 久留米大学(福岡県)− 花田学園(東京都)

プロフィール

小学1年生の頃から約12年間、剣道一本で学生時代を過ごした。大学在学中に教員からトレーナーの道に方向転換し、トレーナーとして剣道に携わることを決意。

2018年現在、23歳にして剣道日本代表トレーニングコーチを担当。トレーニングはもちろんのこと、身体のケアや怪我の対応に長けており、選手からの信頼も厚い。

彼が目標としていることは、「剣道の現場にトレーナーがいる環境づくり」である。自身の怪我の経験から、「怪我で剣道を嫌いになったり、挫折する人を一人でも減らしたい。」とのこと。

専門学校に通いながら、剣道日本代表のトレーニングコーチ

ーー今はどんな仕事をされていますか?

現在は東京の花田学園で鍼灸師・あんまマッサージ指圧師の資格取得に向けて勉強中です。

これらの資格を持つこと、伝統のある学校で学ぶことは今後人生の武器になると考え、この学校に進学しました。

また、日本オリンピック委員会強化スタッフ(情報・戦略スタッフ)として剣道競技のトレーニングコーチという役職を担当しております。

平たく言えば、剣道日本代表のトレーニングコーチです剣道競技のトレーニングコーチは全7名で担当しており、男女それぞれの強化合宿(最大4回/月)に1名ずつ帯同します。

主な業務は合宿内でのトレーニング指導、合宿内でのトレーナー業務全般を行います。

合宿は医師も帯同しておりますので、連携を取りながら選手のサポートをしております。

経験はなくても迷わずにYESと言えた

ーー今の仕事についた経緯を教えてください

私が卒業した大学の先生と、剣道の現トレーニングコーチの方がお知り合いで、私を紹介していただいたことが始まりです。

大学の先生からその話をいただいたときに、迷わず「やりたいです。」と答えました。

大学生の時は剣道のトレーナーとしての経歴はこれといってありませんでしたので、今のトレーニングコーチという立場は就職後に一度は経験したい夢に近い目標でした。

それでも、卒業後にどんな場所に行ってもトレーナーとして働ける準備をしてきました。

選択を迫られた時に迷わずYESと言えたことは今でも良かったと思っています。

やりがいしかないと言っても過言ではない

ーー仕事のやりがいはなんですか?

テレビや動画で見ていた日本屈指の選手たちを間近でサポートする環境にやりがいを感じています。

強化合宿に帯同すると、有名選手しかいません。
監督やコーチは名の知れた素晴らしい先生ばかりです。

その方々の近くで仕事ができるのですから、こんなにも嬉しい環境はありません。
やりがいしかないと言っても過言ではありません。

監督、コーチ、選手が何を考え、どのような稽古をしているのかを間近で知ることができ、いつも勉強になります。

先日、韓国の仁川で開催された3年に1度の世界大会では、日本は男女団体個人全ての分野で優勝するという素晴らしい成績を残してくれました。

そこに少しでも関われたことはとても光栄です。

関わってきたチームが勝つとやはり嬉しいですし、モチベーションも上がります。

自分の判断が大きな影響を持つ

ーー仕事の中で大変なことはなんですか?

日本代表に限った話ではないと思いますが、選手は試合に向けた選考があり、その途中に怪我をすることも少なくありません。

怪我が完治していなくても試合に出られるのであれば出場し、勝つことが選手としての条件です。
怪我をしてできない場合はそれまでです。

「怪我をしたから休む、復帰に向けたリハビリをする」
といった考え方はできないのです。

私はそんな状態の選手たちを、チーム状況や流れを含め判断しなければなりません。

自分の判断が誤り、もし試合中に選手が戦えない事態になれば、勝敗を左右してしまう可能性があります。

また、選手の怪我が悪化し、さらに大きな怪我となれば選手生命を奪うことにもつながります。

チームにとって最善の判断をすることは難しいです。

テーピングがコミュニケーションのきっかけに

ーー仕事で失敗したことを教えてください

今のところ大きな失敗はありませんが、テーピングはとても苦労します。

剣道は裸足で行うため、足底にテープが巻くとすぐに取れることが多く、体幹周囲や肩のテーピングは道着と袴を着ているため何度も巻き直せません。

また、テーピングが見えることがあまり良いとされていない風潮があります。

そのなかで最大の効果が出せるテーピングをしなければなりません。

中には合宿中に選手と試行錯誤しながらテーピング方法を模索することもありました。

まだまだ力不足で選手には迷惑をかけていますが、それをきっかけに選手自身の身体状況の相談やトレーニングの話ができたりすることもあります。

私と年齢が離れている選手はテーピングやアイシングをきっかけに話すようになることが多いかも知れません。

知ることでやるべきことが見えてくる

ーースポーツ業界で働きたい人へのメッセージをお願いします。

私は現在剣道の現場を中心に活動していますが、スポーツにはそれぞれ特有の風習や文化があると思います。

地域や年齢によっても違いがあるかも知れません。
まずはそれを理解することが必要だと思います。

理解した上で自分に何ができるか考えると物事はスムーズに進むはずです。

スポーツ業界に限った話ではないですが、自分の目標がある場合、そこにたどり着く為には何が必要か、何をしなければならないかを考えます。

そこから準備しなければならないことが見えてくるはずです。

それさえできていれば、誰よりも早くチャンスをつかめると思います。

特に学生の皆さんは、勉強すればするほど、学内外で活動すればするほど、見えてくるもの、感じるものがあると思います。

それはヒントであり、チャンスです。

しっかり掴んでください!