理学療法士として整形外科で働きながら、陸上競技のトレーナーとしても活動し、さらには「シューズ好き」が高じて、インソールの制作まで行っているという石田さん。
今回はそんな石田さんが考える、スポーツ業界で働くためのポイントについてお話を伺いました!
石田さんのご紹介
名前
石田 佑也(いしだ ゆうや)
年齢
27歳(西暦1990年生まれ)
出身
北海道
出身校
東都リハビリテーション学院
慶應義塾大学
プロフィール
高校陸上部の時からの豊富な陸上競技・ランニングシューズの知識と、理学療法士として得てきた臨床経験と医学知識から「足と靴から綺麗と元気を」をコンセプトに陸上競技選手やランナーの走り方や身体の癖に合わせたランニングシューズのフィッティング、インソールの作製、コンディショニングを関東・北海道を中心に展開。年間で作製するインソールは200足を超え、インカレで活躍する選手から日本代表選手まで多くの選手のパフォーマンスを足から支えている。
■石田さんの運営するブログ:Sports Connecters
理学療法士として働きながら、陸上競技のトレーナー
ーー今はどんな仕事をされていますか?
神奈川県厚木市の整形外科クリニックで理学療法士として、子供から高齢者まで身体の痛みや不調に悩む方への治療をしています。
その傍ら、札幌国際大学陸上競技部を中心に陸上競技選手からサブフォーを目指すような一般ランナーのコンディショニングなど陸上競技専門のトレーナーとして活動し、特にその人の身体の特徴や動きに合わせたランニングシューズのフィッティングやインソール作成に力を入れています。
今年からランニングシューズの選び方やフィッティングについての講演や、Sports Connectersというトレーナー、理学療法士、栄養士が集まって選手のサポートを行うチームでコラムを執筆するなどの情報発信も積極的に行っています。
まだ回数は少ないですが、キッズ向けの足の健康診断やかけっこ教室なども今後は増やしていきたいと考えています。
スポーツ選手のサポートがしたい!その思いからたどり着いた今
ーー今の仕事についた経緯を教えてください
高校生の時からスポーツ選手のサポートがしたいと考え、大学でも勉強をしていましたが、選手のサポートをするには身体について細かく知る必要がある!と思い、理学療法士を目指しました。
卒業後は「なんでパフォーマンスが上がらないのか」「なんで怪我する選手が多いのか」を知りたくて、様々な疾患が集まる整形外科クリニックへ入職しました。
その中で自分の役目は「スキルを教えるようなコーチではなく、スキルを支える身体を作ってあげること」と思い、現在はスポーツ現場、クリニックでの臨床と「現場⇔臨床」を大事に活動しています。
そこから無意識下で動きを変えるツールであるインソールの必要性を強く考え、入谷式足底板の概念を元にし、グラインダーのような専用の機械がなくても現場で作れるインソールを考案しました。
現役陸上競技選手だった頃からランニングシューズについての知識がショップ店員を遥かに上回っていたので、今ではフィッティングについての指導もしています。
チーム・選手から「求められることは」は何か?
現場を見据えて臨床を行う。
臨床で行っていることを現場で応用する。
理学療法士だからこそできるサポートを行っています。
選手が好タイムを出したときは自分事のように嬉しい
ーー仕事のやりがいはなんですか?
選手自身の身体や動きのイメージが実際の動きとマッチングしたとき、最高のパフォーマンスができます。
「思った通りに動ける!」
「コーチに言われた動きができるようになった!」
「長時間走っても痛みがない!」
などの言葉を貰えたとき、選手が自分の身体を思い通りに動かせる感覚を得られたときに自分の役目が果たせたなと感じられます。
(あくまでも選手がしなやかに動ける身体を作ることを役目として考えているので、その後のスキルに関してはストレングスコーチなどにお任せしています。)
陸上競技は選手のパフォーマンスが数字として現れるので、勝敗だけでなくタイムなどでパフォーマンスが上がったどうかを確認しやすいです。
サポートした選手が好タイムを出したときは自分事のように嬉しいですね。
数ミリ単位の個人差に頭をフル回転
ーー仕事の中で大変なことはなんですか?
選手が自分の身体を思い通りに動かせる感覚を得るには、セラピストが選手の身体の動きを捉える必要があります。
身体は1人1人違いがあり、運動パターンもみんな同じではありません。
特にアスリートは感覚が鋭いので、ほんの数度、数ミリの違いでパフォーマンスが変わります。
疾患や筋力の強弱、可動域に合わせるだけではなく各個人の運動パターンに合わせて評価・治療展開するので、毎日頭をフル回転させてます。
何十人も選手や患者さんを診ていると、1日終わったときにはぐったりです
よくするのも悪くするのもトレーナー次第
ーー仕事で失敗したことを教えてください
選手に作成したインソールが合わずに痛みが出てしまったことですね。
このとき私は足の機能だけ診ていて、シューズの形状を考えていませんでした。
そこからシューズの構造をより深く勉強するようになり、選手の足や動きだけでなく、使用するシューズに合わせたインソール作成を心がけるようになりました。
大変なことでも述べましたが、ほんの数度、数ミリの違いでパフォーマンスが変わります。
悪くすることなんて簡単にできてしまうんです。
良くするも悪くするもトレーナー次第です。
その覚悟をもって触れるようにしています。
掛け算で広がるスポーツとの関わり方
ーースポーツ業界で働きたい人へのメッセージをお願いします。
スポーツ業界で働きたい方へ
選手のサポートなのか、トレーニンググッズの制作なのか、インストラクターなのか、はたまたスポーツ系メディアなのか、アプリ開発なのか、どんな形でスポーツに関わりたいですか?
私は半分スポーツ現場でインソール×ランニングシューズ×陸上競技という感じで関わっています。
正直理学療法士だけだったらしんどくてとっくにやめてます(笑
ですが、大好きな陸上競技、ランニングシューズ、インソールという形でスポーツ現場に半分関われているおかげで、頑張っている選手の還元するために臨床を全力で臨めていますし、理学療法士のスキルがスポーツ現場に最大限に活かされています。
自分の好きなこと、楽しいこと、得意なことを是非挙げてみてください
もしまだ見つからなければ、たくさんのことに挑戦してみてください(インターンでもボランティアでも留学でも朝活でも)
それがスポーツ業界に関わるかもしれません
パラレルワークが基本的になってきた現代、スポーツ×〇〇×〇〇でいろんなことができると思います。
スポーツ業界に関わる者として、いつか一緒に仕事ができるのを楽しみにしていますね!
■他の働き方インタビュー記事一覧