スポーツだけが活躍の現場ではない。医療機関で働くトレーナーの役割

トレーナーの働き方

アスレティックトレーナーの資格取得後、アメリカへ渡った安澤さん。

帰国後は、大学病院をはじめ様々な場所でトレーナーとして活躍されています。

今回は特に医療現場でのトレーナーの仕事についてお伺いしました!

安澤さんのご紹介

名前

安澤佳樹(あんざわよしき)

年齢

28歳(1990年生まれ)

出身

千葉県

出身校

帝京大学医療技術学部卒

プロフィール

大学在学中には初代GAPメンバーの1人としてマーケティング班で活躍。

大学卒業と同時に難関と言われる
日本体育協会(現: 日本スポーツ協会)公認アスレティックトレーナー試験を現役合格する(同じ時期に健康運動指導士も取得)。

その後はATの本場アメリカに渡り、語学留学も兼ねて、1シーズンカレッジフットボールに帯同。
拙い英語力ながら日本で磨かれたATの知識、技術が評価されオープン戦の帯同メンバーに選抜される。同年、チームも勝ち進みボウルゲームに出場する。

帰国後は都内の大学病院にて、運動指導者として心停止から蘇生された患者や心臓手術後の患者、心臓の機能が低下した患者へ、QOL(生活の質)の向上、再発予防のための心臓リハビリテーションを行う。

同年からATとして都内の高校サッカー部に帯同し、発育発達や左右非対称性の理論などを用いながら傷害予防、パフォーマンス、ムーブメントスキル向上に努める。

今はどんな仕事をされていますか?

今は、上記のように大学病院にて内部障害のある患者に対して運動療法を中心としたリハビリを行なっています。

その傍ら、都内にある高校サッカー部でATとして学生への生活指導もしつつ傷害予防、パフォーマンスの向上、安全管理を中心とした活動を行なっています。

さらに、週末には草アメフトの試合に帯同し、応急処置や傷害予防のテーピングなど、選手が安心して試合に臨めるよう活動しています。

これだけみても運動指導者として様々なフィールドで活動していますが、フィットネスクラブでもパーソナルトレーニングも行なっています。
ここでのクライアントはゴルフ、ランニングなどを趣味にしている方、経営者、医者など、一般的に富裕層と呼ばれる方の健康維持・増進が主になります。

今の仕事についた経緯を教えてください

それぞれ説明すると長くなってしまうので、現在の仕事の半分を占めている、大学病院での仕事についてお伝えさせて頂きます。
もし、その他の仕事に興味・関心があれば下記からご質問ください!

大学病院での仕事が始まった経緯ですが、アメリカから帰国して数ヶ月間ニートを体験する期間がありました。

せっかくなので、その間に様々な方に時間を作って頂き、挨拶回りをしていました。

ニート期間ですがホントはアメリカ在住の間にいくつかの企業にアプライしてたんですけど、全て断られてしまった、ということがあります。(笑)結果的に断られて良かったですが。

そんなこんなでお世話になった母校の先生に挨拶に行った際に、その先生が以前働いていた場所を紹介していただいたのが、今の職場でした。

もともと医療には興味があったので、大学病院で学びながら働けるというのはお金以上に魅力的なオファーでした。

つまるところこの業界はコネクションが多くの仕事を生みます。
学生のうちはたくさん外にでて、たくさんの人に会って、たくさんの知識や経験を積んだ方が就職に有利に働くことは間違いないと思います。

仕事のやりがいはなんですか?

老若男女問わずたくさんの人の考えに触れられること、
あとは死にものぐるいで生き延びた人の人生の手助けが出来ることです。

実際、その人たちにとって手助けになってるか分かりません。

ある人は「ゴルフをするために手術をした」と言います。

またある人は「気づいたら意識を失ってて起きたら先生に囲まれてた」など、

自分の意思とは裏腹に病院にやってくることがあります。

そんな人たちには家族がいたり、
守るべきものがあったりします。

このような人々に
いかに効率よく合理的に目標にコミットすることができるかが
運動指導者としての腕の見せ所であって、やりがいに感じています。

仕事の中で大変なことはなんですか?

いくら知識や経験を積んでも「無力だなあ。」と感じることがあります。

退院に向けて一生懸命リハビリをしていた患者さんの死を目の当たりにすると「本当にこのような介入で良かったのか。」と感じることがあります。

運動指導者は、運動指導もさることながら、生活指導も重要な役割を担います。

特に心臓の機能が低下する心不全の患者のリハビリは難航します。

単に運動指導だけでなく、食事指導など、その人の生活にまで介入する必要があるからです。

生活指導の質を高めるためには、その患者の居住地域や自宅や自宅周辺の生活環境、嗜好など、ありとあらゆる情報をリサーチします。その上で運動のスペシャリストとして介入していくというわけです。

また、アドヒアランス(患者の同意)も大切です。
医療者側の意見ばかりでなく、患者側の意向もあるのでその辺も汲み取りながら、道筋を示していくのも運動指導者の重要な役割になっていきます。

そして、今後は食の欧米化や高齢化によりさらに心不全患者が急増することが見込まれています。
このことを「心不全パンデミック」といい、今後はこの分野の需要はさらに高まっていくことが想像されます。

それも踏まえて、私ももっと成長しなければと思いますね。

仕事で失敗したことを教えてください

思い出したくもないですが、飲み会で泥酔し自宅にメガネを忘れて出勤してしまったことです。

職場の方へ多大な迷惑をかけたのと同時に、患者のバイタルサインの1つである心電図モニターの波形がはっきり見えないといったことが起きました。

不幸中の幸いで、その日は事なきを得ましたが、今思い返すとゾッとしますし、何より周囲の方々の信頼を失ってしまったことが大きな反省です。

その日は帰って猛省しましたが、今でもそのことを忘れることはありません。

なので、学生のみんなは今のうちからお酒への向き合い方も学んでみると良いと思いますよ。

スポーツ業界で働きたい人へのメッセージ

私の活動している分野は、ニッチな世界なのであまり知られていませんが、この記事を読んでいる方はスポーツや医療に携わりたいと思っている学生の方々だと思います。

アスレティックトレーナーの知識や経験は何もスポーツだけのものではありません。

私のように病院で働くこともできますし、何より包括的に人の身体について勉強したい人は病院業務も刺激的で良い環境かと思います。

さらに先ほどお伝えしましたが、少子高齢化が進んできています。
親は子供に高いお金を払ってでも大成してもらいたいと思い、高齢の人は健康寿命を延ばして余生を有意義に過ごすことに価値を見出す時代になって来ています。

そんな時代にシフトしている過渡期の中で、ただ運動指導ができるトレーナーより、整形外科や内科を含めた予防医学に関する知識を持つトレーナーが今後は重宝されると思います。

運動指導者の専門性はどんどん特化され、テクノロジーが発展し、強みのない運動指導者はAIに仕事を分け与えるようになると思います。

私自身、予防医学と健康の分野において活動の場を拡大している最中であり、日本の素晴らしい文化を海外に広めていく取り組みを行なっています。

まだまだ伸び代たくさんの若いみんなには、今のうちから興味のある分野で活躍できるようコミュニティやコネクションを大切にして活動して貰いたいと思っています。

微力ながら私もこのニッチな世界で働きたい人のサポートも行なっているので、興味のある人は、下記のURLから質問ください!

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