学生時代にトレーナーとしての経験値を高める方法のひとつに実習があります。実習先に貢献しながら自分の成長にも繋げていくことで、実習に参加する意味が出てきます。
今回は、学生時代にトレーナー実習をしていた畝本京典さんにその実際をお聞きしました。実習に臨むにあたっての大事な心構えや考え方など、大変参考になるお話が盛り込まれていますので、現在実習中の方・これから実習に参加する方はぜひご覧ください!
畝本京典さん紹介
名前
畝本 京典(うねもと けいすけ)
年齢
23歳(西暦1995年生まれ)
出身
千葉県
出身校
了德寺大学 健康科学部 整復医療・トレーナー学科
プロフィール
小学生の頃はソフトボールを6年間、中学から大学3年までの9年間は野球に打ち込む。中学の頃に腰のケガをしてしまい、思い通りにプレーができない日々が続いた。その時に柔道整復師の先生に助けて頂き、自分のようにケガで苦しむ選手を減らしたいという想いで了德寺大学に進学。
現在は「野球選手の夢を育むトレーナー」という想いのもと、トレーナーとして活動している。近い将来、プロ野球のトレーナーになることを目標に、そこで選手達を巻き込み、育成年代に正しい指導が浸透するようにしたいと考え日々活動している。
今はどんな仕事をされていますか?
現在は、スポーツ・健康業界全般に関わっている会社に就職し、トレーナーとしてフィットネスサロンでの仕事をメインに行っています。
最近では、治療やチームのトレーニング指導・試合帯同の機会もいただいています。
学生時代にはどんな実習へ行っていましたか?
大学時代は、中学生のサッカーチームや陸上の大会でのブース運営、大学柔道部などで実習をさせていただいていました。
実習とは別に、中学生の硬式野球チームのトレーニングコーチとしても活動していました。この硬式野球チームのコーチには、元プロ野球選手の方が何人もいるチームでした。全国大会出場や、卒業生は強豪校に進学して甲子園出場する選手が何人もいるチームの中で、トレーニングコーチとして大学4年間指導させて頂きました。
実習の内容について教えてください
トレーナーとして任されることを全般的に行なっていました。ウォーミングアップやクールダウン等のトレーニング指導や救急処置、テーピングを巻くこともありました。怪我の選手がいれば別メニューでのリハビリ等を行なっていました。
トレーナーでもありながらコーチでもあるため、選手のカラダだけでなく心の面や礼儀等の教育も行なっていました。中学生という思春期真っ盛りの選手なので、どう指導するかよく悩んだ事を覚えています。
どのようにその実習先を見つけましたか?
大学とは全く別のところで紹介いただいたことがきっかけでした。
私は大学1年の頃から学生・若手のトレーナー団体に所属していて、そこで先輩に紹介していただきました。私の大学では1年の後期から実習に行くのですが、当時の実習先に野球の現場はありませんでした。
野球の現場で指導したいと感じている時に、団体の先輩が中学生の硬式野球チームでトレーニングコーチをしている事を知り、お願いして一緒に行かせていただけることになりました。団体に入っていなければ、そして先輩にお願いをしていなければ指導する事はなかったと思います。
実習の中で心に残っていることはありますか?
一番心に残っているのは、指導最終日です。最終日に選手達から胴上げをしていただいたり、親御さんから感謝の言葉をいただいたり、コーチ陣から「トレーナーとして認めていたからいなくなってしまうのは残念」と言っていただいたりと、嬉しい事がたくさん詰まった1日でした。
指導した当初は、どうやって選手・コーチ陣・親御さんと関わればいいかわからない事もありました。指導していてもなかなかうまく行かない事が沢山ありました。このチームに自分は必要なのだろうか?と悩む時期もありました。だからこそたくさん勉強し、たくさん考えて、自分の振る舞い方などを変えてという事を何度も繰り返しました。その結果、最後は認めてもらえて終えられたのはとても嬉しい瞬間でした。
今でもあのチームでトレーニングコーチができたことを誇りに思っています。
今、実習に出ている学生トレーナーへアドバイスをお願いします。
実習先で悩むことはたくさんあると思います。指導しているけどなかなか聞いてくれない。指導の効果があまり出ていない。自分のやりたいと思っている事ができない。などなどたくさんあると思います。
そんな時はもう一度自分の関わり方などを見つめ直してみてください。他の人のせいにしていたもののほとんどが自分が原因にあります。指導を聞いてもらえないのであれば、どうやれば聞いてもらえるか工夫する必要があります。指導の効果が出ないのであれば、その人が本当に必要なものを考え直す必要があります。やりたい事をやらせてもらえないのであれば、なんでもやらせてもらえるようにまずは信頼を得る必要があります。
他の人のせいにすることは簡単ですが、原因のほとんどが自分にあります。ぜひ自分の行動を見つめ直してみてください。あとは悩んでいる時に先輩や先生に相談できるといいですね。僕もまだまだ未熟者ですが、一緒に頑張っていきましょう!
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