肉離れの原因はハムストリングスの筋力不足??
ニュルッ、ブチっ、という音とともにハムストリングスに歩けないほどの激しい痛みを経験したことはありませんか?
いわゆる肉離れです。肉離れとは筋が収縮しているときに、引き伸ばされるような力がかかることで発症する筋肉が断裂している状態のことです。多くはスポーツ活動中に起こり、たとえば急に走り出したり、突然止まったり、ジャンプしたりするなどの動作をした場合によく起きます。
ハムストリングスは肉離れの好発部位として有名です。肉離れが起きてしまう要因として、筋力の低下および筋力のアンバランス、ウォーミングアップ不足、疲労の蓄積、柔軟性の欠如、および既往歴などが挙げられます。
肉離れの予防としては筋力アップ、入念なウォーミングアップ、疲労回復、柔軟性の向上などがあります。中でも伸張性収縮力の強化は予防にとても効果的です。
今回はハムストリングスのトレーニングについてご紹介します!
ハムストリングスの
トレーニング1
レッグカール
まずはペアで実施するレッグカールのご紹介です。
やり方
1:うつ伏せになり、床方向への抵抗に対し膝関節屈曲を行います。
2:トレーナーは踵骨付近を把持し抵抗を加えます。
3:完全に収縮したら、次はトレーナーの抵抗に対してゆっくりと遠心性収縮(エキセントリック)で膝関節を伸展していきます。
4:膝関節の屈曲・伸展を繰り返していきます。
解説
トレーナーの抵抗に対して下腿が外側・内側に逃げないようにコントロールします。
開始位置の屈曲角度が小さくなると、ハムストリングスが伸張位となるため、筋力がより必要になります。屈曲角度は徐々に小さくしていき、負荷をコントロールしましょう。
下腿が外旋・内旋せず、つま先と膝の向きが同じになるように膝関節を屈曲していきます。
下腿が外旋していると大腿二頭筋、下腿が内旋していると半腱様筋・半膜様筋の筋収縮の割合が大きくなってしまうため、下腿を中間位にします。
注意
うつ伏せ姿勢をとる際、肘は立てずハムストリングスのみのトレーニングになるよう上体は全面床につけた状態で行います。
抵抗を急にかけると筋肉を痛めてしまう可能性があるため、実施者の習熟度に合わせて抵抗をかけましょう。
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ハムストリングスの
トレーニング2
ルーマニアン・デッドリフト
シャフトを用いて行うトレーニングです。
やり方
1:足幅は肩幅より狭く、肩甲骨を寄せて胸を張った状態でバーベルの前に立ちます。
2:胸を張ったまま、上半身を前に傾しバーを握ります。膝は軽度屈曲の状態にしてハムストリングスを伸張させます。
3:胸を張ったまま、股関節を伸展する力で上体を起こして、バーベルを挙上させます。
4:殿部を後方へ突き出すように動かし、股関節を屈曲しながらバーベルを下げていきます。
5:1〜4の動作を繰り返します。
解説
膝関節を軽度屈曲位で安定させ、膝関節の動きを最小限に抑えて、股関節を伸展する力でバーベルを挙上させることにより、ハムストリングスに強い負荷をかけることが出来ます。
バーベルは出来る限り体の近くを通るようにし、バーベルが床に着く直前のところまで上体を前傾させていきます。(上体が床に対して水平になる程度)
注意
ハムストリングスの筋緊張や短縮がある場合、上体を前傾するときに股関節の屈曲ではなく代償動作で腰が屈曲してしまうと腰を痛める可能性があります。
ハムストリングスの
トレーニング3
ロシアンハムストリングス
3つ目のトレーニングをお伝えします。
やり方
1:膝立ちになり、両膝は肩幅に開きます。
2:パートナーが両手で両足を地面にしっかり固定します。
3:頭から膝を真っ直ぐに保ったまま、ゆっくりと前に倒れていきます。
4:姿勢を保てなくなるまで前に倒れたら、両手をついて柔らかく着地し、腕立ての姿勢を取ります。
5:手で床を押しながら1の姿勢に戻り、1〜4までの動作を繰り返しましょう。
解説
ハムストリングスに対する遠心性収縮(エキセントリック収縮)が起こるため、非常に負荷が高い種目です。
股関節が屈曲するとハムストリングスへの負荷が低くなってしまうため、膝から頭まで一直線のまま倒れるようにします。
肉離れのリハビリで行う場合は、ハムストリングスの状況をみながらトレーニングを取り入れる時期を考えるようにしましょう。
注意
つま先と膝がまっすぐの状態でパートナーが押さえ、体を前に倒す際に股関節が屈曲しないように意識しましょう。
ハムストリングスに対しての強度が高い種目のため、体を前に倒す際に無理に耐えようとすると怪我をする恐れがあります。徐々に前に倒す角度を大きくして、負荷を高めるようにしましょう。
まとめ
ハムストリングスのトレーニングをご紹介しました。
肉離れを起こしやすい筋肉です。指導する際は選手、クライアントに合った強度で指導しましょう。
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記事監修:森川稔之
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女子ラクロス選手を中心に一般の方からアスリートまで幅広く指導。体幹トレーニング・ファンクショナルトレーニングを得意とし、瞬発力アップや切り返しの速さなど「動きのトレーニング」に定評がある。日本だけでなくアジアでもトレーナーとして活躍中。
後進の育成活動として若手・学生トレーナー向けの森川カラダ塾を開講。
筆者:古峯聖
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