現場で見られているのは”姿勢”〜トレーナー実習インタビュー〜

大学時代には選手・トレーナーとして活動し、現在は兵庫県の高校で野球部の監督として活躍されている宝谷祐哉(ほうたに ゆうや)さん

学生時代にどんな思いで、どんな活動をされてきたのかインタビューさせていただきました!

宝谷祐哉さんトレーナー実習インタビュー

名前

宝谷祐哉(ほうたに ゆうや)

年齢

27歳(1991年生まれ)

出身

兵庫県

出身校

中京大学体育学部卒

プロフィール

幼少期から野球一筋。
幼少期からケガの多い選手で思うようにプレーができない日々が続いた。

中学生の時、スポーツトレーナーと出会い、セッションを受ける度に身体が変化していくことに魅了され、将来はトレーナーになることを決める。

大学では硬式野球部での学生トレーナーとして活動。
チームではコンディショニングに留まらず、ウォーミングアップ指導からストレングス系指導まで幅広く担当。
その傍ら3年時には同大学の女子バスケ部、陸上短距離選手への指導も行った。

就職活動中、自身の原点である野球選手のケガのサポートへの思いが強くなり、高校教員になることを志す。
現役で見事合格し、平成26年4月より兵庫県の公立高校で体育教諭となった。

念願である野球部の顧問となり、同7月より監督として選手を支える。

今はどんな仕事をされていますか?

私は現在、兵庫県の公立高校で体育教師として働いています。
幸運にも教員1年目から野球部の顧問に任命されたので、部活動では野球部の監督もさせていただいています。
また、クラス担任も任されているため、体育教師、野球部監督、クラス担任と3足のわらじで日々充実して過ごしています。

学生時代はどんな実習先へ行っていましたか?


大学の硬式野球部に所属していたため、野球部での活動が主でした。

1、2年時は選手もさせてもらっていましたが、トレーナーになることを志していたので、選手のケアなども同時に行っていました。
また、トレーナーとしての幅を広げたいと思い、縁あって同大学の女子バスケットボール部でのトレーナー活動もさせていただきました。

実習内容について教えてください。

野球部では、選手のケア、リハビリ、ウォーミングアップ、トレーニング指導を行っていました。
これは始めからできたわけではなく、最初はトイレ掃除から始まっています。

トイレ掃除をし、選手の練習補助を行い、僕という存在を知ってもらい、少しずつ選手に身体を任せてもらえるようになってきました。

そして、選手からの信頼の積み重ねで監督やコーチからの信頼も高まり、少しずつチーム全体のことまで任せていただけるようになってきました。

バスケット部では、野球部での経験を活かし、バスケット部に合った形に変換して指導していました。
バスケット部は、これまでトレーナーがいたことのないチームでしたので、選手のサポートをしながら、トレーナー文化の定着を目指して活動してきました。

半年という短い期間でしたが、ウォーミングアップやクールダウン、補助的に体幹トレーニングなどを一から作り上げ、慢性のケガ0で終えることができました。その甲斐あってかはわかりませんが、チームも数十年ぶりの好成績を上げてくれました。本当に良い経験をさせていただきました。

どうやって実習先を見つけましたか?

野球部に関しては選手として入部したので、そのままトレーナーとして活動していったようなところです。
バスケット部については、紹介でぜひうちのチームを手伝ってほしいと言われたので所属するようになったというところです。

僕の場合は外部に出ていったわけではないので、学内での活動を真剣に行い、その姿勢を評価され広がっていったような形です。

学ぼうと思って、有名なチームやトレーナーさんの元へ修行に行こうとするのもよいですが、トレーナー文化のないチームへ行き、創意工夫を重ね一から作り上げることも楽しいのではないかと僕は思います。

実習の中で心に残っていることはありますか?

もうそこで過ごした日々そのものが僕にとっては財産です。
何もできないところから、選手を何とかしてやりたいという思いで必死に学び続けた日々は本当に財産です。

本やセミナーだけでなく、選手のリハビリに付き添った際にPTの先生から教わった技術、また選手とマンツーマンでどうしていきたいかをアツく語り合った日々は、今でも自分の教師人生の原動力です。

あの頃、選手としてプレーしていた先輩方が、今高校野球の指導者になっています。
そんな先輩方から、野球の指導のことや体育授業のことを相談される日が来るとは思いもよりませんでした。
あの場での出会いも、僕にとっては財産です。

今、実習に出ている学生トレーナーへのアドバイスをお願いします。

おそらく多くの学生さんがインターンのような形で現場に出ているのではないでしょうか。
チームの選手やスタッフがあなたの何を見ているかご存知ですか。

結局、見ているところは姿勢です。

どのような気持ちで現場に出向き、選手やスタッフと接し、どんな些細なことでも盗んでやろうという泥臭さを持っているかどうかです。

そこにいる時間が損か得かなんて考える必要はありません。
ひたむきに取り組んでいればきっとチャンスはもらえます。

体育会系の諸先輩方は、そんな姿をしっかり見ています。
今一度、自身の態度を振り返り、ひたむきさを持って実習に臨んでほしいなと思います。

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