腓腹筋は大腿骨から踵にかけて付着している筋肉です。足関節底屈、膝関節屈曲に関与しています。
腓腹筋には全力疾走や高い跳躍力を生み出す役割があります。ランニングや片足でのジャンプ動作の中で、足が地面から離れる瞬間や、後方から前方への速い方向転換動作の中で、強く蹴り出す瞬間に大きな力を発揮。強い収縮を行っている分、疲労も溜まりやすくケガが起こりやすいです。特に肉離れが起こりやすい筋肉です。
今回は現場で活用できる腓腹筋のストレッチを3種類ご紹介します!
ストレッチをマスターしてケガの予防をしましょう!
腓腹筋のストレッチ1
くの字ストレッチ
まずは自分で簡単にできる代表的なセルフストレッチをご紹介します。
やり方
両手を床につき「く」の字になります。
両手は肩幅よりやや広げ、足は片側だけ床につけます。
もう一方の足で図のように踵を押さえ、体重をやや後ろにかけながら伸ばしていきます。
10秒キープで交互に行いましょう。
起こりやすい代償動作
足関節の可動域が狭い人(足関節が硬い人)は踵が浮きやすいので片方の足で踵を押さえることでしっかり伸ばすことができます。
※伸ばしている側の膝関節を屈曲してしまうとヒラメ筋が優位に伸びてしまうので気を付けまし
ょう。
ポイント
足先の向きを内側・外側・中央へ変えると腓腹筋全体を伸ばすことができます。
そのため時間がある時には3方向やってみてください!
腓腹筋のストレッチ2
両足の踵を下ろすストレッチ
続いてもう1つ簡単にできるセルフストレッチをご紹介します。
段差があればすぐにできるので、定期的に実践してみてください!
やり方
階段や台の端から両側の踵を出した状態で直立します。
両膝はしっかりと伸展させて、両側の踵をできるだけ下方向に下ろしていきます。
腓腹筋が伸びているのを感じながら10秒行いましょう。
起こりやすい代償動作
膝が曲がってしまう。
身体が不安定で筋が収縮してしまう。
こういったことがあるとうまくストレッチができないので気をつけましょう。
身体が不安定になってしまう場合には、壁や手すりに掴まるなどして安定性を高めると良いです。
※アキレス腱に大きな負荷がかかることがあるので、踵をゆっくりと下げるようにしましょう。
ポイント
片足ずつ行うとよりよく伸ばすことができます。
体重のかけ具合によって強度を調節できるので、ストレッチ感を感じながら行いましょう!
腓腹筋のストレッチ3
パートナーストレッチ
最後に腓腹筋のパートナーストレッチをご紹介します。
選手に対して行うことが多いストレッチなので、しっかりポイントを押さえておきましょう!
やり方
パートナーはストレッチをする側の踵を包み込むように保持し、前腕部を使い、足の裏全体を固定します。
重心を頭部の方へ移動させながら腓腹筋のストレッチをします。
※この時、膝をしっかり押さえて膝関節を伸展位にさせておく必要があります。
片側が終わったらもう片側も同様に行います。
筋の伸び具合によって10秒間で1セットを3~4セット繰り返し行います。
このパートナーストレッチは大きな力を必要とするため、
女性の方や力の弱い方には下の右図のように肩に足部を乗せたうえで、足関節を背屈させる方法もあります。
起こりやすい代償動作
腓腹筋は二関節筋であるため最大限に伸張させるためには膝関節を伸展位にして足関節を背屈させる必要があります。
膝の屈曲が出ないように注意しましょう。
ポイント
腓腹筋の内側頭をストレッチする場合は股関節をやや内旋させ、身体の内側に重心を落とすようにしながら足関節を背屈させるとより効果的です。
逆に、股関節をやや外旋させると外側頭を主にストレッチすることができます。
最後に、どのストレッチにも共通して言えることは、息を吐きながらストレッチすることで、
筋が最大限緩んだ状態で伸ばすことができ最も効果が期待できます。
選手としっかりコミュニケーションをとりながら、効果的なストレッチを行っていきましょう!
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参考文献
ストレッチングアナトミー/発行者 勝政和生/株式会社 医学映像教育センター/2009
治療成果を上げるための自動的・他動的ストレッチ/平野陽三/株式会社ガイアブックス/2014