「スポーツを仕事にしたい!」
そんな夢を抱く学生がたくさんいる中、
これまでにない新しい形で夢を実現させた人がいる。
今回は大学を卒業してすぐ、
新卒でラオスに就職し障がい者スポーツの
トレーナーとして活躍する桑原佑輔さんに
インタビューをさせていただきました!
桑原さんのご紹介
名前
桑原佑輔(くわはらゆうすけ)
年齢
23歳(1995年生まれ)
出身
奈良県
出身校
法政大学スポーツ健康学部卒
プロフィール
高校3年生の時に自分自身が怪我をしたことがきっかけで
スポーツに関する仕事に就きたいと思うようになり、
大学でアスレティックトレーナーの資格取得を目指す。
大学2年の時に初めて海外(タイ・ラオス)へと渡り、
東南アジアのスポーツの現状などを目の当たりにする。
大学4年の時に
トレーナーとして働くか、一般企業で働くか悩んだ末、
トレーナーとして東南アジアで働くことを選択。
現在はラオスで障がい者支援とトレーナー業を行っている。
今はどんな仕事をされていますか?
ラオスで障がい者支援を行っているNGOで働いています。
ラオスの教育スポーツ省と一緒になってユニバーサルスポーツ(どんな障害を持っている人でも行うことができるスポーツ)の普及と競技スポーツ(車イスバスケやゴールボールなどのパラスポーツ)の強化を行っています。
またトレーナーとして、車イスバスケの国際大会に帯同しています。
今の仕事についた経緯を教えてください
1番初めのきっかけは大学2年時にタイとラオスに行ったことがきっかけです。
それまでは海外にすら出たことがなかったので、異国の文化や雰囲気に触れることがとても新鮮でした。
ラオスを訪れた際に、現在働いている団体に出会い、そこで2度のインターンを経験しました。
初めはインターンだけのつもりでしたが、ラオスのパラスポーツの現状やトレーナー文化がそもそもないということを知り、ラオスのパラスポーツをより良くするために自分にもっとできることがあるのではと考えるようになりました。
言葉や文化の違いなど迷う要素はたくさんあり、ラオスに移住するかどうかかなり迷いましたが、最終的には移住し、新卒でラオス働くことを決断しました。
仕事のやりがいはなんですか?
常にいろいろなことに挑戦することができることです。
今はラオスのパラリンピアンがラオス国内や日本で認知されることを目標に動いています。
パラリンピック委員会の人々と一緒になって各スポーツの組織体制づくりや練習方法などを考え発信していくことや、より一般の方にも認知してもらえるように動画の作成なども行っています。
決まった業務がほとんどないので、どの行動が正解なのかわからなくなるときも時折ありますが、とにかく行動を起こしていくことを意識しています。
今までラオスになかったことをしているので、結果がはっきり出やすいのがモチベーションになります。
成功することもありますし、上手くいかない場合も多いですが、挑戦しやすい環境なのでたくさんの結果を得ることができます。
仕事の中で大変なことはなんですか?
やはり一番は言葉と文化です。
僕は大学入試以降、ろくに英語の勉強をしていませんでしたし、英語で話す機会もありませんでした。
読むことはある程度大丈夫ですが、聞くことと話すことは全くといっていいほどできません。
国際大会などの舞台にいくと英語を話すことが必須になるので、そのあたりは現在も苦労しています。
それに加えてラオスにはラオ語という公用語があり、同時にそちらも勉強しないといけません。
通訳の方について頂くこともありますが日常生活ではそういう訳にもいかないので、2つの言語を学ぶ時間を仕事以外の時間で作るようにしています。
文化の面では考え方が大きく異なることがあるので、日本では考えられないような出来事がよく起こります。
仕事で失敗したことを教えてください
日本とラオス人の文化の違いを考えずに、セミナー直前に予定を変更させてしまったことです。
ラオスの人々は日本よりも1か月後などの先の話をすることが苦手な部分があり、直前に確認をすることがとても大切になってくるのですが、それを怠ってしまったばかりに会場や時間を変更させることになってしまいました。
日本以上に確認を何度もすることが大切で『やったつもり』というのが失敗に繋がるというのを学びました。
一度ではなく、何度も確認をするようにしています。
スポーツ業界で働きたい人へのメッセージ
スポーツ業界で働くことは日本だけに限定されたものではありません。
アメリカやヨーロッパなどのスポーツ先進国で働くという選択肢もあれば、僕のように発展途上国で働くという選択肢もあります。
ラオスでは日本で当たり前のことが当たり前ではありません。
トレーナーといいながらコーチがいない時も多いので技術指導することや人数が少ないときには選手と一緒にプレーをするときもあります。
日本のように監督・コーチ・トレーナーと細分化されていないのが大きな特徴だと思っています。
また障がい者と健常者の垣根が少ないので一緒の競技場で練習していたりする光景も見かけます。
各国や団体によってスポーツへの関わり方や働き方は大きく変わってきます。
学生のうちに色々な企業を見学したり、海外へ行くなどの行動を起こしていってください。