触診に自信が持てるように|アスレティックトレーナー海外研修レポート

海外研修

 

アスレティックトレーナーは、ケガの予防・リハビリに携わるスペシャリストです。そのスキルを高めるためには、テキストベースの知識を増やすだけではなく、実際に「身体に触れる」ことが重要です。そのため、現役アスレティックトレーナーもしくはその職を志す学生に向けた海外研修は多数開催されています。

では、海外研修に参加することで何が得られるのでしょうか。また、トレーナー仕事の中でどのように活かせるのでしょうか。

今回は、実際にアスレティックトレーナー海外研修に参加した森川稔之さんにお話を伺いました。

森川稔之さんインタビュー

名前

森川稔之(もりかわとしゆき)

年齢

31歳(西暦1986年生まれ)

出身地

神奈川県

出身校

日本大学、東京スポーツ・レクリエーション専門学校

どんな海外研修に参加しましたか?

ハワイ大学解剖実習に約1週間参加しました。

日本ではドクターか医大生しか、メスを持っての解剖実習を行うことは出来ませんが、アメリカではアスレティックトレーナーのカリキュラムに解剖実習が入っている大学・大学院もあります。「環太平洋の医科学情報の発信基地」を目指しているハワイ大学では、愛泉指圧学校のご尽力もあり、トレーナーやコメディカル業界で働く人や、目指す学生も受け入れてくださっています。

研修は英語だけでなく、現地の医学博士やATCで通訳をしてくださるので、英語が出来ない方でも安心して参加が可能。僕は2016年より3年連続で参加をしています。

海外研修に行くことになった経緯を教えてください。

日本でも何度か解剖実習に参加したのですが、すでに医大生が解剖したご検体の組織を見る実習であったり、1日のみで時間の制限があったりと、十分な時間をとってご検体を細部まで見ることが出来ませんでした。アスレティックトレーナーにとって、選手が痛みを訴えて来た際に触診をして評価をすることは、重要な仕事。でも本当にその組織を触り分け出来ているのか不安に思っていた時に、愛泉道院の因泥先生からハワイ解剖実習のことを教えて頂き「是非参加させて下さい!」と、すぐに参加申し込みをしました。

海外研修中の現地での生活について教えてください

研修期間中はホノルル付近のホテルに宿泊しました。日系人が多く、日本語を話せる方がお店にもレストランにもいらっしゃるので、海外が初めての方でも安心して生活することが出来ます。

もちろん解剖実習も大きな学びですが、海外の文化に触れることも大きな学び。朝からダイアモンドヘッドに登り、朝食でアサイーボールやロコモコ丼を食べ、夜は本場のフラダンスやハワイアンダンスを観ながら、ステーキを食べることも出来ます。テンションが上がって、お金を使い過ぎる人が多いので注意が必要です(笑)

海外研修の中で心に残っていることはなんですか?

解剖学の知識の浅さに気付かされたことです。解剖学の教科書では、骨、筋肉、神経、血管等、組織ごとに分けて勉強していたり、それぞれの筋肉を分けて勉強していたので、メスを持って執刀した際に、どの場所にどの組織があるのかが把握できていなくて、神経や筋肉を途中で切ってしまいました。担当してくださってATCの先生は、説明をしながら組織をひとつひとつ綺麗に分けていて、解剖学を3Dでとらえられていない自分の知識の浅さを痛感させられました。

その海外研修に行ったことで何が得られましたか?

「自信が持てた」のが大きな成果です。研修前までは触診にあまり自信を持てませんでしたが、この解剖実習に参加したことで「この組織を触っている」ということに自信を持てるようになりました。またトレーニングやストレッチをする際にも、皮下の組織を透かしてイメージ出来るようになったので、より細かく施術や指導が出来るようになったと感じています。実際にクライアント様からも「解剖実習に行ってから、より説得力が増したね。説明がすごくわかりやすい!」と、嬉しい言葉を頂きました。

またトレーナーだけでなく、鍼灸師、柔整師、理学療法士、整体師など、様々なカラダに関わる方と一緒に参加できるので、他の職種の方がどのような視点でカラダを見ているのか、臨床でどのようなアプローチをされているのかを知ることが出来たのも、大きな学びでした。

解剖実習で繋がりが出来た先生とは、日本に帰って来てからも一緒に勉強会などをさせて頂いています。

今、海外研修を考えている学生へメッセージ

僕が初めて海外の研修に参加したのは25歳のときでした。それまでは同じ世代の、同じアスレティックトレーナーの視点で、人のカラダを見ていましたが、世代も資格も考え方も違う、カラダに関わる職種の方と一緒に勉強させて頂くことで、カラダの見方の視野がいっきに広がりました。様々な方法論のセミナーや勉強会はたくさんありますが、まずはカラダの構造を理解しないと、方法論を覚えるだけになってしまい、応用が利かなくなってしまいます。機能解剖学をちゃんと理解して、カラダの構造を知りた方にとって、ハワイ解剖実習はとてもお勧めです。

海外のトレーナーはどのような勉強をしているのか、どのような環境で仕事をしているのかを肌で感じ、異文化に触れつつ勉強することはとても大きな刺激になるので、ぜひ学生のうちに海外研修に参加してみてください!

■次回のハワイ大学解剖実習に興味のある方はこちらをご覧ください。

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