NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)とは、パーソナルトレーナーを目指す方やパーソナルトレーナーとしてさらにスキルアップしたい方向けの資格です。
この資格を取得することで一般の方からアスリートまで、幅広い相手にマンツーマンで指導できるようになります。
この記事では、NSCA-CPTを取得したい方のために受験までの手順や一発合格のための勉強方法を具体的なポイントと共に解説していきます。
NSCA-CPTは独学で取得できるの?勉強期間はどのくらい?
NSCA-CPTは、解剖学や生理学、トレーニングなどのスポーツ科学を学んでいる方であれば、独学で取得を目指すことも可能です。
一方で、別の業界からパーソナルトレーナーへの転職を考えている人で、初めて身体に関する勉強を始める方は、スクールや対策講座をご受講された方が短期間で確実に合格に近づけます。
資格の勉強を始める前の知識によって、合格までの勉強期間は異なります。
おおよその目安は下記の通りです。
スポーツ科学の基礎知識がある方や医療系資格(理学療法士、鍼灸師、柔道整復師など)を持っている方であれば、最短2ヶ月程度で合格を目指すことができます。
他の業界から転職を目指して、ゼロから勉強を始める方であれば、短くとも6ヶ月程度はみた方がいいでしょう。
NSCA-CPTの効率的な勉強方法
ある程度基礎知識がある前提で、効率よく合格を目指すための具体的な勉強ステップを紹介します。
1.NSCA-CPT受験用問題集セットを解く。
NSCA-CPTに過去問がありません。そのため公式が出している問題集セットを一度全部解きます。
一度解くことによって得意な分野、苦手な分野を把握することができます。
2.わからないところの公式テキストを熟読する。
得意な分野、苦手な分野を把握できた後は、苦手な分野を公式テキストを使って理解できるようになるまで読みます。
3.1~2を全部の問題に◯がつくまで繰り返す。
理解できたと思ったら再度、問題集セットを解きます。
そうすると、また間違えてしまう問題がでてきます。
2回同じところで間違えてしまっている場合、相当苦手な分野もしくは、理解できていない分野ということになります。
問題を解く
→間違えたところのテキストを読む
→問題を解く
→また間違えたところのテキストを読む
これを全部の問題に◯がつくまで繰り返すことで、苦手な分野を徹底的に潰すことができます。
得意分野よりも苦手分野に重点を絞って、しっかり得点していくことが、確実に合格するための近道です。
ポイント:合格のために学習すべき分野を絞る
公式テキストは全27章で800ページ以上と、ものすごいボリューミーな内容になっており、「とりあえず公式テキスト買ったけど、こんなにいっぱい勉強しなきゃいけないのか・・・」と挫折してしまう人も少なくありません。
ですが、試験ではあまり出題されない分野も含まれているので、実際にNSCA-CPT合格するためには、27章全てを勉強する必要はありません。
試験合格のために勉強すべき分野は、大きく以下の8個です。
いきなりテキストの1ページ目から勉強し始めるのではなく、まず問題を解いてこの8分野の中から自分の苦手分野を見つけましょう。
苦手分野が見つかったら、そこを重点的に潰す。
この進め方がNSCA-CPT合格のためのポイントです。
NSCA-CPT合格のためには何の教材がおすすめ?
最短で合格を目指すのであれば、まずは以下2つの教材を揃えましょう。
1:公式問題集「NSCA-CPT受験用問題集セット[第三版対応](執筆時点)」
→購入はこちら
2:最新版の公式テキスト「NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第三版(執筆時点)」
→購入はこちら
NSCA-CPT試験には過去問がないため、公式の問題集セットは必ず買うようにしましょう。
また、問題集でわからない部分をきちんと理解するために、最新版の公式テキストを準備することをおすすめします。
ある程度基礎知識のある方でしたら、この2つを揃えて先述の勉強法を実践すれば十分独学で合格を目指すことができます。
もう少し丁寧に勉強したい方向けのおすすめ教材
公式テキストだけだと勉強しづらい、もう少し丁寧に勉強したいという方におすすめなのが、トレーナーズアカデミーの『NSCA-CPT問題集』と『NSCA-CPT単語帳(重要用語集)』です。
NSCA公式の問題集セットは、出題分野がバラバラに出てきますが、トレーナーズアカデミーの教材では、分野ごとに問題や単語をまとめているのが特徴です。
「公式問題集で自分の苦手分野を把握できたら、トレーナーズアカデミーの教材で苦手分野に絞って徹底的に勉強する」という活用法がおすすめです。
通常は1冊3,300円ですが、2冊セットで1,100円引きの5,500円でも購入可能です。
公式の教材だけでは不安という方は、ぜひトレーナーズアカデミーの教材もご活用ください!
NSCA-CPT合格に近づくためのポイント
NSCA-CPTの勉強に取り組む上で、以下3つのポイントを意識していくと、効率良く確実に合格へ近づくことができます。
1:完璧を目指さない。
公式テキストは全27章800ページ以上あり、これを1ページ目から最後まで学習するのはとてもハードルが高く挫折に繋がります。
そしてここまでお伝えしてきた通り、資格合格のためには必ずしもテキストの全てを完璧に網羅する必要はありません。
試験に出題されない章や自分がすでに理解できている分野は思い切って飛ばし、自分の苦手分野や覚えるだけで得点できる数字の暗記に時間を使いましょう!
2:エクササイズを中心に勉強する。
実は試験問題の6~7割はエクササイズを絡めた問題が出題されます。
例えば、「整形外科的疾患×エクササイズ」「内科的疾患×エクササイズ」のように分野との複合で出題されるイメージです。
なので、「何から手をつけていいかわからない」という人は、まずエクササイズから勉強を始めることで、合格に繋がる知識が身についていきます。
エクササイズを覚える時は、特に以下の3つを意識しましょう。
・エクササイズの正しい動き
・主働筋(エクササイズによって鍛えられる筋)
・エクササイズの誤った動き
この3つは必ず暗記するようにしてください。
また、エクササイズの勉強ではなるべく"動き”を覚えておくのもポイントです。
実際の試験では、動画での出題も多く、教科書で文字と画像しか勉強していないと動画問題に対応できない可能性が高くなってしまいます。
実際にエクササイズ名で動画を探してみたり、自分で実践してみたりして動きを掴んでおきましょう。
資格取得後のことを考えても実際の現場で活きるエクササイズは重要なので、積極的に勉強することをおすすめします!
3:数字をちゃんと暗記する
試験では数字を覚えるだけで得点できる問題があります。
しかし、暗記をサボったためにそこで得点できないという方も多くいます。
「試験においては暗記も重要な要素である」という意識をもって、覚えるべき数字についてはしっかりと暗記しましょう。
特に重要な暗記項目は、
・生活習慣病の基準となる数値
・エクササイズの休息時間
・トレーニング施設
などがあります。
暗記項目をまとめた一覧表やノートを作成すると、勉強しやすくなるのでおすすめです。
NSCA-CPT受験資格と出願の流れをチェックしよう!
試験の合格に向けて、受験までの流れについても解説します。
勉強だけ進めていても実際に試験を受けなければ合格はできません。
受験日から逆算して準備を進めていきましょう!
要注意!受験資格がないと出願ができません
NSCA-CPTの出願をする前に、受験資格を満たしているかどうかチェックしておきましょう。
事前に準備が必要な証明書類もあり、せっかく試験対策が万全でも受験自体ができない可能性もあるため、注意が必要です。
満18歳以上でないと受験できない。
NSCA-CPTには、受験の年齢制限があり、満18歳以上である必要があります。
18歳未満の方は残念ですが、18歳になってから受験しましょう。
高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験の合格者
18歳以上であることに加えて、出願時には1年以内に取得した高校の「卒業証明書」もしくは、高等学校卒業程度認定試験の「合格証明書」の原本を提出する必要がありますので、事前に準備しておきましょう。
NSCAジャパンの会員登録が必須
まず、NSCA-CPT受験するためには、「NSCAジャパン」の会員になる必要があります。
公式サイトからオンラインで入会できますので、忘れずに登録しておきましょう。
※資格取得目的であれば、社会人の方は「正会員(年会費13,200円)」、学生の方は「学生会員(年会費11,000円)」に入会すれば大丈夫です。
有効なCPR/AEDの証明書を保有しているもの
最後に、一番注意すべきポイントが「有効なCPR/AEDの証明書」です。
これがないと資格試験に合格しても資格証明書をもらうことができません。
条件に「オンラインコースのみでないこと」が含まれているため、実際の講習会に足を運んで認定を受ける必要があります。
CPR/AEDの講習は日本赤十字社や消防署など、さまざまな団体が主催していますので、NSCAジャパンが公表している「該当する団体(コース)一例」を参考に、講習会に参加しておきましょう!
NSCA-CPTの出願から受験までの流れ
ここまでを踏まえて、出願から受験までの流れは以下の通りです。
4まで完了すると、2~3週間後に試験予約の案内メールが届きます。
メールの案内に従って、ウェブサイトまたは電話にてテストセンターの予約を行ってください。
6の実際の受験までには思っている以上に時間がかかりますので、早めにスケジュールを確認して出願の手続きを進めておくことをおすすめします。
受験当日は、予約した試験開始時刻の15分前にはテストセンターに到着するようにしましょう。
受験当日は【身分証明書】が必要になりますので、忘れずに!
また、試験時間から15分以上の遅れは原則として「欠席」扱いになり、受験ができなくなってしまいます。ご注意ください。
NSCA-CPTの受験にかかる費用
ここまでご説明した通り、教材や年会費、事前に受けるべき講習なども含めNSCA-CPTを受けるまでには所々費用がかかりますので、全部でどのくらいの費用がかかるのかをまとめました。
※CPR/AED講習費は、日本赤十字社の普通講習で1,500円
※最終学歴証明書の取得費用は、場合により異なるため目安の金額です。
最低でも8万円前後の費用がかかりますので、ご自身が資格取得のために使える予算も考えながら、必要に応じて資格対策講座の受講などもご検討ください。
これを知っておけば安心!試験当日に得点を稼ぐためのポイント
最後に、勉強した成果をしっかり発揮して、確実に合格を勝ち取るためのポイントをいくつかご紹介します。
1:筆算の練習をしておこう!
試験当日は紙(A4サイズ)とペンが渡されます。当然電卓は使用できません。
NSCA-CPTの試験には計算問題が出題されるため、普段の勉強で電卓やスマホを使用している方は手書きで筆算の練習をしておきましょう。
私はそれを知らなかったため当日焦ってだいぶ時間をロスしてしまいました、、(笑)
経験からくるアドバイスです。
2:トイレは事前に済ませましょう!
試験時間は180分と長丁場ですが、一度始めてしまったら時間を止めることはできません。
途中トイレ休憩などを挟むこともできますが、その間も時間は進み続けます。
なるべく試験前にお手洗いなどの事前準備は済ませておき、180分間をフル活用するつもりで試験に臨みましょう。
3:解ける問題から解きましょう!
試験問題は全部で155問あります。
試験時間が180分なので1問あたり1分ちょっとしかかけることができません。
つまり、わからない問題に時間をかけていると
あっという間にタイムオーバーということです。
なので、「問題をみてすぐに解けない問題は飛ばして次に進む」ということが重要です。
後回しにした問題はあとから見直すことができますので、とにかく「時間を無駄にせず、まずはすぐ解ける問題をサクサク解き進める」ことを意識しましょう。
「満点を目指すよりも、合格点を目指す」
受験当日は、ここを割り切って取り組むことで合格がぐっと近づきます。
もちろん、試験に向けた勉強は満点を取るつもりでしっかり勉強してくださいね。
まとめ
ここまで、NSCA-CPT合格までの勉強期間や効率的な勉強方法、出願の具体的な流れ、試験当日のポイントなどを解説してきました。
NSCA-CPTは、パーソナルトレーナーを目指す方やさらにスキルアップしたい方にとって、実際の指導で生きるさまざまなエクササイズを身につけられるおすすめの資格です。
スポーツ科学の基礎知識がある方なら、十分に独学で合格も目指せますので、ぜひ今回ご紹介したポイントや勉強法を踏まえて、資格取得にチャレンジしてみてください!
もちろん、これからトレーニングの勉強を始めるという方でもきちんと勉強をすれば、合格を目指せます。
トレーナーズアカデミーでは、完全オンラインでなるべく効率よく、費用をかけすぎずに合格を目指す「NSCA-CPT対策講座」を行っています。
一発合格できなくても、追加費用なしで合格するまで継続サポートする保証がついていますので、未経験で不安だけどなんとか合格したい!という方はぜひ受講をご検討ください。