現場に出るための必須知識!応急処置の基本「RICE処置」

応急処置

今回は、急性期の外傷の応急処置として、とても重要な「RICE処置」についてまとめました。

現場に出る前に必ず押さえておくべき処置の方法です!
しっかりと頭に入れておきましょう!

RICE処置とは?

そもそも「RICE処置」とは、

・Rest(安静)
・Ice(冷却)
・Compression(圧迫)
・Elevation(挙上)

これら4つの頭文字を用いた急性外傷の代表的な応急処置です。

局所の閉鎖性損傷の全てに該当する原理であり、
最も重要な処置は「Rest(安静)」であるとされています。

また、Protect(保護)とStabilization(安定化)を加えて、「PRICES」という表現されることがあります。

RICE処置の効果、メリット

処置の効果やメリットについて、各処置に分けてまとめました。

Rest(安静)

損傷部位の二次的腫脹や血管神経の二次的損傷を防ぐ意味で大切です。

運動を中止することで、全身の血液循環を抑えて患部への血液量を減らすとともに、患部を固定することで、損傷の動揺を防ぎ局所的安静を図るために行います。

Ice(冷却)

外傷直後に患部を冷やすことにより、出血を抑えると同時に受傷部位の細胞の代謝活性を抑え、二次性の低酸素障害による細胞の壊死を最小限に抑えることができます。

Compression(圧迫)

損傷した細胞や毛細血管からの内出血を抑える効果があります。

圧迫することによって対象に血液が流れ込むことを防ぎ、血液が残留することを防ぎます。

しかし、圧迫が強いために血行障害や神経障害を引き起こす恐れがあるため、十分な注意が必要です。

Elevation(挙上)

患部を心臓より高めることにより、患部への血流が穏やかになり
静脈の流れが促進されるため内出血が抑えられます。

応急処置がきちんとできていないとどうなる?

現場で障害が発生したとき、素早く応急処置を施さなくてはいけないのには理由があります。

応急処置は、外傷によって起きる炎症を最小限に抑え、早期回復を図るうえでとても重要です。

つまり、応急処置を的確且つ、いかに早く行えるかがその後の回復に大きくかかわってきます。

例えばRICE処置をするのにも、Compressionが強すぎては血行障害や神経障害を引き起こす可能性があります。
ポイントをしっかり確認して正しい応急処置をできるようにしておきたいです。

RICE処置の適用場面

捻挫、打撲、筋・腱損傷、神経損傷時などに応急処置として用います。

骨折や関節損傷にも通ずる理論ではありますが、変形や異常可動性が見られる場面は早急に医療機関への搬送が大切だと考えられます。
状況によってはアイシングの実施も効果的です。

また、上記に当てはまる損傷をした人でも、冷却刺激を加えることでアレルギー反応や循環障害を起こす人はRICEの適用にはなりません。

RICE処置の注意事項、ポイント

注意事項

・肘関節や腓骨頭付近など神経が皮膚表層付近にある部位は、神経障害を起こす可能性があるため注意を要します。

・圧迫の強度が高すぎる場合、血行障害や神経障害を引き起こす可能性があるため、強さと循環を確認しながらの圧迫が必要です。

・外傷の急性期の場合は、2次的外傷性損傷を誘発しないために長距離の移動や血行を促進すると考えられる入浴、飲酒など日常生活に対する配慮も大切になります。

ポイント

・Iceで使う冷却媒体は、固体から液体へ変わる基準値である0℃くらいの氷を使用することが良い。
氷が液体に代わるとき氷には「融解熱」が生じており、氷を当てている部分はその分だけ冷却効果を得ている(熱を奪う)ことになります。

つまり、アイシングに適している氷は表面に水滴がついているような「溶けかけの氷」が良いとされています。
氷の中でもマイナス温度の氷は、氷の持つ効果は望めず凍傷のリスクも出てくるため、表面に霜が張ったような氷を使う場合は、水も一緒に使って氷水として使ったほうが良いとされています。

・他の冷却媒体には、ゲル状のコールドパックやケミカルパックなどがあります。
コールドパックは、冷凍庫に入れてしますと凍ってしまい凍傷のリスクが出てしまうため、冷蔵庫で冷やしたものを用います。

ケミカルパックは、冷やしておく必要はないため持ち運びが楽であるが、患部を冷やすのには冷えすぎてしまうため、凍傷の注意が必要です。

・アイスパックは、ビニールに適量入れて氷の板ができるように並べ、袋を結ぶ前に真空状態にします。
中の空気層をなくすことにより、氷の板がビニールと密着し患部への冷却効果がさらに望めます。

・アイスパックを用意したら、伸縮性のバンテージを用いて力の調節をしながら巻きます。
タオルや非伸縮性の包帯を用いることも可能ですが、巻く強さをコントロールできないため血行障害や神経障害を防ぐためにも、伸縮性のバンテージを用いたほうが良いとされます。

・冷却時間に関しては1回に20~45分間行い、間隔を1~2時間に1回間欠的に行うことが望ましいとされています。

最後に

RICE処置は急性外傷に対する応急処置の中で基本となるものです。

選手の早い復帰のためにも、応急処置をしっかりできていないといけません。
選手をケガから守るために、しっかり準備しておきましょう!

〇参考文献
公認アスレティックトレーナー専門テキスト8「救急処置」
公認アスレティックトレーナー専門テキスト3「スポーツ障害・外傷の基礎知識」
公益社団法人全国柔道整復学校協会監修「柔道整復学・理論編」
公認スポーツ指導者養成テキスト 共通科目1
公認スポーツ指導者養成テキスト 共通科目3
健康運動指導士養成講習会テキスト 下

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