学生トレーナーが知っておくべきテーピングの基礎知識

スポーツ現場でトレーナーとして働いていく上で、重要なアプローチ方法の1つである『テーピング』

今回は、効果・ポイント・注意点など、テーピングを取り扱う上で知っておいて欲しい基礎の部分をまとめました!

メリットとデメリットをきちんと理解して、現場でテーピングが活用できるトレーナーになりましょう!

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テーピングとは?

キネシオテーピング

テーピングとは、「テープ」を用いたアプローチ方法です。

テーピングに用いられるテープは大きく分けると「非伸縮テープ」と「伸縮テープ」の2種類に分類され、
それぞれに無数のメーカーの無数のラインナップのテープが存在します。

対象に合わせた最適なテープと使い方の選択がテーピングのカギとなります。

大まかなイメージとして、非伸縮テープは生地が伸びないので制限が強いテープです。
対して伸縮テープは生地の伸縮具合や厚みによって程度の差がありますが非伸縮テープよりも制限が少ないテープと覚えてください。

テーピングの効果

テープを体に巻いたり貼ったりすることで、
【制限をかける】もしくは【制限を緩める】ことが期待できます。

テープの選択、巻き方や貼り方次第でどちらの効果も引き出すことが可能です。

そしてその際には必ず【感覚入力】が伴います。

それらのことを考慮してテープを1枚1枚貼り重ねることで「テーピングの効果」はつくられます。

例えば…

【固定】の効果を狙ったテーピングであれば、
制限の強いテープ(非伸縮テープ等)を用いて制限をかけるような巻き方を行えば
より強い【固定】の効果を得ることができます。

例)足関節捻挫をしてしまった際のホワイトテープを用いたテーピング

対して、
【可動】の効果を狙ったテーピングであれば、
制限の少ないテープ(キネシオテープ等の伸縮テープ)を用いて制限を取り除くような巻き方を行えば
より【可動】の効果を得ることができます。

例)パンパンなふくらはぎの緊張を緩和させるためのキネシオテーピング法

このように【テープ × 使い方】で一本一本のテープの効果が生じ、それらの積み重ねによって【テーピングの効果】は構築されています。

テープ1枚1枚に意味をもたせて巻き重ねることでテーピングの効果は自分で創っていくことが可能です。

そしてもう一つ忘れてはいけないテーピングの効果が【安心感】です。
「テープを巻いてもらっている」ということが選手の心理的な不安を軽くすることもあります。
膝のテーピングをして走る人

効果的なテーピングのポイント

効果的なテーピングを行うポイントはズバリ【評価・検証】です。

テープを巻く対象の状態(炎症、可動域など)や状況(試合直前、試合後など)を詳しく観察し、それを元に評価を行います。

そこから洗い出された改善点にテープを用いてアプローチをした結果、どのように効果したのか検証を行います。
テーピングに限らずアプローチを行う際には必ず前後での変化をチェックし、その結果をもたらした原因を細く検証することが大切です。

この評価と検証を繰り返すことが効果的なテーピングが巻けるようになるために欠かせない作業です。

テーピングの注意点

体にテープを貼ることは、良くも悪くも体に影響をもたらします。

テーピングを行なう際にはメリットだけでなく、デメリットに注意しましょう。

テープを巻くことでケガの予防や悪化を防ぐことができる一方、テープが原因でケガを招いていることも少なくありません。

本やネットで巻き方は簡単に知ることができるのでテーピングは手軽なアプローチ方法として認識されているかもしれませんが、あなたの巻くテープが目の前の選手の選手生命を左右していることは紛れもない事実です。

1本1本のテープに責任を持ってテーピングを行うことを忘れないでください。

膝を痛めて座る人

テーピングの種類

テーピングの種類は本当にたくさんのものがありますが
大きくは伸びないテープである「非伸縮テープ」、伸びるテープである「伸縮テープ」の2つに分けることができます。

非伸縮テープには「ホワイトテープ」、「ロイコテープ」などがあり、強い制限をかけることによる固定を目的に用いられることが多いです。

伸縮テープは「キネシオテープ」「デニバン」「エラスティックテープ」などがあり、非伸縮テープよりも可動性を確保した固定から筋出力のコントロールまでテープの種類によって幅広く用いられています。

それぞれ異なる多種多様な製品の特徴を理解して使用することが大切です。

・テープの強度(伸縮性)
・テープの厚み
・接着剤の強度

などを比較基準にして色々なテーピングを比べてみてください。

まとめ

テーピングは【 テープ x 使い方 】で様々な効果をつくり出すことができるとても魅力的なアプローチ方法です。

そしてテーピングがマッサージやストレッチなどのアプローチと大きく異なる点は「お持ち帰り」ができることです。

どれだけ指導者が選手に寄りそおうとしてもフィールドに一緒に立つことはできません。
ですがテーピングは選手と一緒にプレーすることまでできてしまいます。

テーピングはそれだけ自分の思いを乗せ、選手を後押しすることができる特別なアプローチ方法です。
ただし、アプローチの仕方がズレていた場合はマイナスな効果を選手に押し付けてしまうリスクも伴うことを忘れてはいけません。

学生トレーナーがテーピングを行う際に一番大切なことは、
自分のテーピングで対応できる範囲を客観的に知り、
「テープを巻かない」という判断ができることだと思います。

私は「現場でテープを巻けないトレーナーは使い物にならない!」と学生時代に言われ、その当時はそうなのだと思っていましたが実際はそんなことはありません。

例えば、現場で足首の捻挫をしてしまった選手がいたとします。
足関節のテーピングに自信がないけれどとりあえずテーピングで固定を行うことと、自分でテーピングはせずにしっかりとRICE処置をしてテーピングの処置ができる人や施設に引き継ぎをすることはどちらが良い選択でしょうか?

学生トレーナーに限らず私は後者だと思います。

テーピングはあくまでも手段です!

その先にある目的を達成するための一つの選択肢にしかすぎません。

そのことを大前提により多くの目的をクリアできるようにテーピングでできることを増やすための考え方や知識技術を磨いていくことがテーピング上達において一番大切なことです。

もしもの時に自分の武器となるテーピングスキルを磨いていきましょう!

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