トリガーポイント療法勉強会 腰椎椎間板ヘルニア編 受講レポート

トレーナーズアカデミー編集長、嘉山(JSPO-AT、NSCA-CPT、JATI-ATI、健康運動実践指導者、JCCA-ADV)が株式会社givers様主催勉強会に参加しました。
勉強会のダイジェストと感想をレポートします!
今回の勉強会はこちら!

トリガーポイント療法勉強会 腰椎椎間板ヘルニア編

講師

谷津 義康

・柔道整復師
・柔道整復師専科教員
・メディカル整体アカデミー副校長

学生時代にスポーツをしつつも怪我に苦しみ、思うようにスポーツ活動ができなかった経験から、夢ある学生やスポーツ経験者に同じ思いをして欲しくないと思い柔整業界に入り、慢性疾患から急性疾患まで、さまざまな疾患の対応を学ぶこと10年。 現在は、今まで培った知識や技術をより多くの方に知ってもらい、一人でも多くの方の悩みを一緒に解決していく為に、柔整業界の中では大手企業の株式会社givers様の技術研修講師として、年間100名ほどの施術家に技術講義を行っている。 柔整国家試験対策オンラインセミナーも行っており、セミナー参加者の約8割の方を国家試験合格に導いている。  

セミナー内容

”トリガーポイント” をご存知ですか?

僕が今まで学んできたアスレティックトレーナーやNSCA、JATIなどではあまり取り扱われることのない内容です。
そのためトリガーポイントと聞いても『押されると痛い場所』というイメージしかありませんでした。

まず、トリガーポイントの定義から説明していきます。
トリガーポイントとは ”筋肉内に存在する非常に敏感な点や部位で、触れると痛みを引き起こす箇所” のことです。

このトリガーポイントの特徴を活かし、今回は腰椎椎間板ヘルニアのトリガーポイントについて骨模型やエコーを活用しながら解説していただきました。

骨模型を使ってヘルニアについて学んでいます。

エコーで腰方形筋を3Dで確認!

 

勉強会は以下の流れで進んでいきました。

1.腰椎椎間板ヘルニアの病態・データ
2.トリガーポイントの特徴
3.トリガーポイントの種類
4.禁忌
5.実技

座学3割、実技7割と実技中心で行われました。

 

1.腰椎椎間板ヘルニアの病態・データ

腰椎椎間板ヘルニアとは椎間板内の髄核が繊維輪を突き破り、神経根や脊髄を圧迫することによって様々な症状が現れる疾患のことです。

ヘルニアは、脊柱の屈曲で起こりやすいと言われていますが、屈曲に側屈や回旋も加わることによって、より起こりやすいとされています。また症状は髄核が飛び出ている側に出ると考えられています。例えば、左側に髄核が飛び出している場合、左側に痛みや痺れが現れます。

僕もトレーナーをやっていて様々な選手をサポートしてきました。その中でも腰痛で悩んでいる選手は多かったです。(アスレティックトレーナーとして活動していたので今日のような手技アプローチはできなく悔しい思いもしました。)

また選手ではなくても、一般の方でも腰痛は多く、日本人にとって腰痛は国民病と言っても過言ではないと思います。ただ実際に腰痛のクライアントで椎椎間板ヘルニアが確認されるのは3%程度だそうです。そのため腰痛=ヘルニアとは限らないことがわかります。

2.トリガーポイントの特徴

トリガーポイントの特徴は3つ!

①特有の関連痛パターン
痛みのある場所に原因となる硬い部分がなく、離れたところに痛みがある現象です。
※痛みが神経の走行に沿って現れるとは限らないことから神経痛ではなく関連痛と呼びます。

特に離れている関連痛は、ふくらはぎと頬にあったこともあるとのことでした!
頬の痛みを取ろうと頬や首にアプローチしていたところなかなか痛みが良くならず、関連痛パターンを元にふくらはぎにアプローチをしたところ改善が見られたそうです。

このパターンを覚えることで施術の幅が広がりそうですね。


②ジャンプ兆候や局所単収縮反応
トリガーポイントを押してみると飛び跳ねるくらいの圧痛反応を示すこともあります。
これは、ポリモーダル受容器(痛みを感じるセンサーのようなもの)が敏感になっているため起こると言われています。

③索状硬結
トリガーポイントのあるところにはギターの弦のような固さがあります。
筋肉を触ってみて一部分が固いのがトリガーポイント。
筋肉全体が固い場合は別の要因が考えられます。これはストレッチが効果的かもしれませんね。

 

※トリガーポイントが出来やすい特徴もあるそうです。
①怪我や手術後
②不動による虚血(筋肉が伸張性収縮され続ける)
③過負荷

個人的にはこれらに注意しながら、適度な運動を心がけたいものです。
選手はハードな練習もしていると思うので、しっかりとケアをしてください。

 

3.トリガーポイントの種類

大きく
①活性型
②潜在性
の2つがあります。

違いをまとめると以下の表のようになります。

4.禁忌

トリガーポイントがあってもクライアントの状況によっては治療を実施できない場合もあります。以下に挙げる状況では悪化させてしまう恐れやクレームに繋がってしまうこともあるので気をつけたいですね!

・悪性腫瘍
・施術しようとしている局所に開放性の外傷があるとき
・重度の骨粗鬆症
発熱時など他にもいくつかあるようなのでぜひ調べてみてください!

5.実技

トリガーポイントの概論を学んだあとは、実際の手技のレクチャーを受けました。
ここまで細かく触り分けるのか、と個人的に学び多き時間でした。
参加していただいた方も試行錯誤しながら自分のものにできるように取り組んでいました。

特に大事だなと感じたのが、正しい場所を適切な力でアプローチしてもらうことです。
講師にピンポイントで触れてもらうと、全然違うのがわかりました。見様見真似でテキストで学ぶよりも、実際にやってもらうことが一番。
ぜひ興味を持っていただいた方は、勉強会やセミナーに参加してみてください!

一部ではありますが、実際にアプローチしている時の写真を掲載します。

腸腰筋へのアプローチ
大腰筋と腸骨筋を合わせて、腸腰筋。
今回は特に大腰筋にアプローチする方法を教えていただきました。

 

腰方形筋へのアプローチ
腰方形筋なのか脊柱起立筋なのか、腹筋群なのかの触り分けが難しい。
正直なところ、1回で習得するのは簡単ではないかもしれません。奥が深い

 


梨状筋へのアプローチ
お尻の深層筋である梨状筋。コンディショニングエクササイズスタンダートセミナーではボールを使ったリリースを実施します。今回は手技でのアプローチでしたが、本当に1cm違うだけで全然違う。これも奥が深いと感じましたし、触れるようになったことでツールを使ったコンディショニング指導のレベルが上がったと思います。

次回の勉強会案内

最後に次回のご案内です。

7月7日(日) 15:00〜18:00
内容は『トリガーポイント療法 頚椎編』です。

お申し込みはこちら

 

百聞は一見にしかず。
百見は一触にしかず。(勝手に作りましたw)
今まであまり学んでこなかった分野ではありましたが、今回の勉強会に参加してアスレティックトレーナーとして、パーソナルトレーナーとしてレベルアップできたように感じます。奥が深い手技アプローチ。安全で効果的な手法を学んでいきましょう!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

-トレーナー専門知識
-, ,