YMCA自転車エルゴメータテストは、心臓血管系持久力を測定する最大下でのマルチステージテストである。この広く普及しているテストは、3分間のステージごとに仕事率を増加させ、推定最大心拍数の85%まで到達するように設計されている。
器具
■機械式または電磁式ブレーキの自転車エルゴメーター
■メトロノーム(自転車エルゴメータに回転計がない場合)
■ストップウォッチ
■心拍数および血圧の測定器(前出の「心拍数」および「血圧」の項を参照)
■RPEスケール
手順
1.50rpm(毎分50回転)でペダルを漕ぎ始め、テスト中、この回転数を維持するようクライアントに指示する。
2.最初の3分間の第1ステージは、仕事率を150kg・m/分(50rpmで0.5kg)に設定する。
3.第1ステージの2分目と3分目の最後の15~30秒間にクライアントの心拍数を測定する。これら2回の心拍数の差が6拍/分を超える場合は、さらに1分間ステージを続行する。
4.次以降のステージの仕事率の設定
第1ステージの終わりのクライアントの心拍数:
<80拍/分の場合は、第2ステージの仕事率を750kg・m/分(50rpmで2.5kg)に設定する。
80~89拍/分の場合は、第2ステージの仕事率を600kg・m/分(50rpmで2.0kg)に設定する。
90~100拍/分の場合は、第2ステージの仕事率を450kgm/分(50rpmで1.5kg)に設定する。
100拍/分の場合は、第2ステージの仕事率を300kg・m/分(50rpmで1.0kg)に設定する。
5.第2ステージの2分目と3分目の最後の15~30秒間に、クライアントの心拍数を測定する。これら2回の心拍数の差が5拍/分を超える場合は、さらに1分間ステージを続行する。
6.(必要であれば)第3および第4ステージの仕事率を表11.12(第2ステージの下の行)に従って設定する。各ステージの2分目と3分目の最後の15~30秒間にクライアントの心拍数を忘れずに測定することに注意。
7.クライアントの心拍数の定常状態が、110拍/分から年齢推定最大心拍数の85%までの間で2回計測された各ステージで測定した2回の心拍数の差が5拍/分を超える場合は、さらに1分間各ステージを続行する。
年齢推定最大心拍数の85%に達した時、またはクライアントが運動負荷試験中止の一般基準」に記載されている基準のいずれかに該当する場合はテストを終了する。