再確認!今更聞けないAEDの使い方

AEDによる一次救命は生死を分ける重要なポイントであり、現在は街のいたるところに設置されています。

いざAEDを使う場面に立ち会った時、あなたは自信を持って対処することができるでしょうか?

今回は、「AED」の使い方と注意点についてまとめました。

改めてAEDの使い方を確認しておきましょう!

AED(自動体外式除細動器)とは

AED(automated external defibrillator)とは、別名・自動体外式除細動器という医療器具で、
突然正常に拍動できなくなった心停止状態の心臓に、電気ショックを行うことにより心臓の動きをリセットすることができます。

勘違いしやすいのですが、あくまでも心臓の動きを正常に戻すためには『胸骨圧迫』が最も重要になります。
胸骨圧迫と併用してAEDも使用していきましょう。

突然心停止の最も一般的な原因である心室細動(VF)・心室頻拍(VT) の際にAEDを使用することができます。

日本では2011年の調査で、38万台のAEDが販売されているデータがあり、近年では商業施設や学校、スポーツ施設への設置が常識となっています。

「使えない」は意味がない AEDの使用方法

①患者の頭近くにAEDをおき、スイッチをつけます。
(機種によって、蓋を開けて開く場合もあります。)

②パットを貼るため、患者の服を脱がすか切って患部を露出させます。

③音声に従って、パットを胸の右上(鎖骨の下で胸骨の右)と左下側(脇の下5〜8cm下、乳頭の斜め下)の肌に直接貼り付けます。
つまり、心臓を挟み込むようにします。
(小児に成人用パットを使用する場合は、心臓を腹側と背側から挟み込むように貼ります。)

測定、電気ショック以外は心肺蘇生を継続します。

⑤電気ショックの準備ができたときは、周りにその旨を伝えて
患者に必ず触らせないようにさせてください。

⑥電気ショック後も継続して心肺蘇生を行います。

一次救命が命を守る鍵になる!

・AEDの効果 (胸骨圧迫だけではダメな理由)

みなさん、救急車の平均到着時間がどれくらいかご存じでしょうか?
およそ8.5分と言われています。
しかし、これは出動から到着までの時間を示しており、119番通報後患者の元に到着するのは14分程かかるとされています。

この間、何もしなかった場合の蘇生率は、1分間で7〜10%下がると言われております。

ここで、一次救命処置として胸骨圧迫を行うことができた場合、蘇生率を約2倍に増やせるというデータがあります。
さらに、AEDを使用できた場合は約4倍に増やせると言われております。

これらのデータから、119番通報だけでなく胸骨圧迫とAEDの使用が蘇生率を上げる上で非常に重要になってきます。

また、AED使用時も測定と電気ショック時以外に胸骨圧迫することがとても重要で、胸骨圧迫を数秒間止めただ数秒間救命率の低下がみられます。

電気ショック後も、2分間の胸骨圧迫後心電図を改めて解析するようになっているため、すぐAEDを外さないことが大切です。

AED使用時の注意点

AEDを使う上でいくつかの注意点があります。
1、稀に除細動に伴うスパークによって火災が発生することがあるため、しっかり肌に密着させる事が重要。

2、金属のアクセサリーについては、電気ショックを行なう際に電流が通る部分に触れないようにする

3、海やプールで泳いでいた傷病者など、身体が濡れている場合はAEDの効果が薄れてしまう可能性があるため、しっかり拭き取ってから使用する。

4、傷病者が埋め込み式ペースメーカーを使用している場合は、ペースメーカーの作動を妨げる事恐れがあるので、埋め込まれた部分を避けてパットを貼る。
(ペースメーカーは、皮膚<主に右鎖骨の下>に硬い出っ張りとして確認できる。)

5、体毛はパットを浮かせてしまうため、備え付けのシェーバーで剃る。

AEDによって助かる命がある

「選手やクライアントの命を守る事」
これもトレーナーとして、とても重要になってきます。
そのためにも、このAEDの使用は無くてはならないものです。
万が一の場面で、冷静に動けるように今のうちから講習を受けるなどの準備をしていきましょう。

・参考文献
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト8 「救急処置」
日本赤十字社 救急法基礎講習
日本AED財団 http://www.aed-zaidan.jp/knowledge/


投稿者:児玉和哉 (こだまかずや)

了徳寺大学3年生(2018年時点)

柔整、ATを目指して勉強中。現在、バスケと野球の3チームでトレーナーとして指導。
小学校からの熱狂的なプロ野球オタク

 

記事監修:山口淳士

◯米国公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)

現在はEXOS Performance Specialistとして、大手企業内フィットネスセンターで運動・健康指導をしている。また、アスレティックトレーニングブログ「CHAINON」や熱中症ブログ「熱中症ドットコム」の運営、トレーナー向け英語学習LINE@、GAP英語勉強会の講師も行う。


BLOG:CHAINON / 熱中症ドットコム / LINE@

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