大腿四頭筋は『大腿直筋』・『外側広筋』・『中間広筋』・『内側広筋』の4つの筋肉の総称です。中でも大腿直筋は唯一骨盤にまで付着している二関節筋です。そのため大腿直筋が硬くなると骨盤が前傾しやすくなってしまいます。骨盤の前傾は腰痛を引き起こす要因です。大腿直筋のストレッチを実施することで痛みの軽減や予防をすることが可能となります。ただ、腰痛には骨盤の前傾以外にも要因あありますので全ての腰痛に効果があるわけではありません。
今回は現場で使える大腿四頭筋のストレッチを3種類ご紹介します!
※大腿四頭筋の機能解剖が不安な方は先にこちらをご覧ください。
大腿四頭筋のストレッチ1
うつ伏せパートナーストレッチ
このストレッチでは、受け手は完全に脱力した状態でストレッチをすることが出来ます。
適切な強度調節のためにコミュニケーションを取りながら行っていきましょう!
やり方
1:相手の伸ばしたい方の大腿部を自分の大腿部に乗せ、股関節伸展の状態をキープします。
2:持ち上がっている方の足の付け根(坐骨結節付近)を手根で抑え、骨盤を水平に保ちます。
3:そのまま、持ち上がっている方の足の甲を軽く支えながら、膝関節を屈曲させていきます。
4 : 反発を感じなくなったら10秒間キープします。
強度調節のため受け手とコミュニケーションを取りながら行いましょう!
効果をあげるポイント
膝関節を屈曲させることよりも、骨盤の傾きを抑える方を重視します。
代償動作が起きないように骨盤を固定してから、膝関節をゆっくり屈曲していきます。
起こりやすい代償動作
・股関節伸展時の骨盤の傾き
・股関節の屈曲(臀部が浮いてくる)
などに注意しましょう!
こんな人には注意!
・腰椎の伸展動作で痛みを伴う方
・ヘルニア、すべり症、分離症を持っている方
代償動作がしっかり抑えられていないと、腰への負担が大きくなるため、態勢がきつくないかを確認しながら慎重に行いましょう!
大腿四頭筋のストレッチ2
ニーリングセルフストレッチ
一人で行える大腿四頭筋のセルフストレッチです。
強度・角度の調整が可能で、同時に腸腰筋をストレッチも行えます。
やり方
1:伸ばしたい方の膝をついた状態で、膝関節を屈曲し足の甲を手で支えます。
※膝の下にタオルなどの柔らかいものを敷いて行うと、膝への負担を緩和出来ます。
2:屈曲している膝関節を手で引っ張りさらに屈曲させていきます。
大腿部に伸びている感覚のあるところまで持っていきます。
3:胸を張り股関節をさらに伸展させていきます。
腸腰筋が伸びる感覚を感じるところまで待っていき20秒〜40秒間キープします。
効果をあげるポイント
骨盤後傾の状態を作るために、体を起こし胸を張り、腹筋群に力を入れながら行いましょう。
角度を変えることで、外側・内側部の筋肉までアプローチが可能です!
起こりやすい代償動作
・骨盤の前傾
・腰椎の伸展
こんな人には注意!
取り伸ばしている状態が不安定な体勢のため、体幹を安定させてバランスをとる筋力が必要です。
バランスの取りづらい高齢者の方やケガをしている方には次のストレッチがおすすめです。
【ハムストリングスのストレッチ3】
大腿四頭筋のストレッチ3
仰向けセルフストレッチ
仰向けで楽に行えるストレッチです。レベルに合わせて3段階の調節が可能です。
やり方
1:伸ばしたい方の膝を屈曲させます。
2 : 上体を後ろに倒し、手で支えます。
この時点で大腿部に伸びている感覚がある場合はそのまま、20〜40秒間キープします。(1段階目)
3:2で伸長感が弱ければ、さらに上体を後ろに倒し、肘で支えます。
この時点で大腿部に伸びている感覚がある場合はそのまま、20〜40秒間キープします。(2段階目)
4:さらに上体を後ろに倒し、仰向けに寝ます。
そのまま20〜40秒間キープします。(3段階目)
腰に痛みのでない範囲で、自分にあった段階で行いましょう!
効果をあげるポイント
屈曲している方の膝が床から離れないようにし、腹筋群の力を入れて腰椎の伸展を抑えるように意識します。
起こりやすい代償動作
・屈曲している方の膝の浮き
・骨盤が屈曲している足の方向に傾く
・腰椎の伸展
まとめ
今回は大腿四頭筋のストレッチについて3種類ご紹介しました!
代表的な筋肉なので知っているものもあったかもしれませんが、効果を出すポイントや代償動作など再確認していただけたら嬉しいです。
ストレッチを行う人によっても効果の出方は変わってくるので、ぜひたくさんの人にアウトプットして経験を積んでいきましょう!
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参考文献
・ストレッチメソッド(カラダを作る本シリーズ)
・健康運動実践指導者 養成用テキスト2016
・NSCA パーソナルトレーナーのための基礎知識